健康的な食事

日本では食文化の多様化により、糖尿病患者数が急速に増加しています。糖尿病はほかの合併症を引き起こす可能性もるため、とても危険な疾病です。

不規則な食生活や会食などで食事のバランスが崩れやすい男性は、とくに糖尿病のリスクが高いです。そこで今回は、男性が押さえておきたい糖尿病の予防・改善方法について紹介していきます。

糖尿病を知ろう

そもそも糖尿病とは、インスリンが正常に分泌されないことが原因で発症する病気です。インスリンはすい臓で作られるホルモンで、食事で上昇した血糖値を下げる働きを持っています。

食事で摂取した糖は腸から吸収され、血液中に流れます。インスリンは糖に反応して分泌され、血液中に流れた糖を細胞内に取り込みエネルギーに変えます。

インスリンが正常に分泌されなくなることで、血糖値は上昇したままとなります。その結果太りやすくなるだけではなく、血液が濃くなり脱水症状になると「心筋梗塞」や「肝硬変」などの合併症を引き起こす可能性も高まります。

また、糖尿病には三大合併症と言われている病気があります。

  • 糖尿病網膜症
    目の血管が詰まり視覚に障害が現れ、進行すると失明に至る
  • 糖尿病腎症
    高血糖により、腎臓の組織の一部がダメージを受けて機能低下する
  • 糖尿病神経障害
    手足の痛みや麻痺が生じ、悪化すると壊疽(えそ)を起こし切断に至る

以上からわかるように、糖尿病自体も怖い病気ですが、合併症を引き起こすことにより更に苦痛をともないます。

日本では、遺伝的な要因に運動不足や過食や飲酒、ストレスなどの生活習慣が加わり発症すると考えられている「2型糖尿病」が糖尿病全体の9割以上を占めています。

なお、女性よりも男性のほうが糖尿病の罹患者は多く、2017年時点では18.1%もの人に糖尿病が強く疑われる状態であると、厚生労働省が発表しています。男性は食生活が不規則になりやすいため、とくに注意しましょう。

糖尿病は寛解させることができますが、完治することがない病気であり、治療の基本は食事療法と運動療法です。それでも改善が見られない場合や、高血糖症状が続く場合は薬物療法を行っていきます。

男性の糖尿病の予防、改善の基本「糖質制限」について

血糖値は、食事に含まれる糖質によって上昇します。糖尿病を予防・改善する食事習慣を送りたいのであれば、糖質を必要以上に摂取しないことが基本です。

糖質は甘い菓子類に限らず、男性が好んで食べる主食の米、パン、麺類にも多く含まれているため注意しましょう。

男性における糖質制限の危険と制限方法

過度な糖質(ブドウ糖)の不足は、神経障害などを引き起こす可能性があります。糖尿病の原因になるからといって、まったく糖質を摂らない選択はかえって体に負担になってしまうでしょう。

糖尿病の栄養指導で行うことの1つが、毎食の主食の量を減らすことです。普段食べているお米の量を測り、その量から20~30g量を減らすだけで、糖質をおよそ15~23g・カロリーを71~107kcal減らすことが可能です。これが3食となると、とても大きな変化となります。

食生活を見直す!男性の糖尿病対策で意識したい3つのポイント

飲み物を飲む男性

私たちは、気づいていないところで余分な糖質を摂取し、糖尿病のリスクを高める食事習慣を行っている可能性があります。

とくに取引先との会食が多い男性、忙しくてかきこむように食事をしている男性は気をつけなくてはいけません。ここからは、男性が糖尿病対策をするうえで注意すべき点をチェックしていきましょう。

飲料の落とし穴

食生活を見直すうえで見落とされがちなのが、普段飲んでいる飲料です。甘い飲み物にはもちろん糖質が含まれています。コーヒーに砂糖を入れたり、エナジードリンクを毎日のように飲んだりする習慣があるビジネスマンは、過剰な糖質の摂取を招いている可能性があります。

参考までに主な飲料の糖質を示しておきます。

スティックシュガー(1本3g)が何本使用されているかで表示しています。

  • コカ・コーラ(500㎖):約19本
  • ファンタグレープ(500㎖):約17本
  • ポカリスエット(500㎖):約10本
  • オレンジジュース(500㎖):約17本
  • モンスターエナジー(355㎖):約15本
  • レッドブル(250㎖):約9本

食べる順番に気をつける

「食事の食べはじめに何から手を付けるか」が、血糖上昇の観点からとても重要となってきます。空腹の状態で糖質の多い食べ物から口にすると、急激な血糖上昇を招きます。糖尿病対策のポイントは、緩やかな血糖上昇を目指すことです。

はじめに野菜類やきのこ類、豆類などから食べることで、急激な血糖上昇を防ぐことが可能です。また、こういった食材から食べ始めると、糖質を摂取する頃には少しお腹も満たされているでしょう。ついつい主食を食べすぎてしまうという男性も、無理なく主食の量を減らせるようになります。

咀嚼と速食いの防止

休憩時間も惜しんで仕事に熱中するビジネスマンも少なくはないかもしれませんが、健康上の観点から見ると、早食いにメリットはありません。

人間の身体は、血糖値がある程度まで上昇することで満腹感が得られるようになっています。早食いの人のほとんどは、血糖値が上昇し満腹感を得られる前に食事を終えてしまいます。そのため、必要以上の量を食べている可能性が高いのです。

早食い防止のためには、まず一口食べたら箸を置く。そして1口ごとに30回噛むことを目標にしましょう。普段から早食いの男性からするとかなりのストレスになるかもしれませんが、これだけでかなり満腹感に変化が現れるはずです。

男性の糖尿病予防のために要注意な食材

こぼれた砂糖

糖尿病の予防において「糖質に注意しなければならないこと」について説明してきました。

なかでも精製された炭水化物(砂糖、白米、小麦粉、うどんなど)は消化に時間がかからないため、摂取後すぐに血糖値が上昇してしまうという注意点があります。反対に、精製されていない炭水化物(玄米、全粒粉、野菜など)は消化に時間を要するため、血糖値をゆるやかに上昇させてくれます。

また、味付けにも注意が必要で、砂糖やみりんを多く使用する煮物や煮つけは、余分な糖分を摂取しやすくなるので注意しましょう。

また糖尿病を予防するためには、高血圧を防ぐために減塩も意識する必要があります。漬物や佃煮、練り物など、味付けの濃い食材には注意しましょう。

男性の糖尿病予防・改善におすすめの調理法と食材

男性が糖尿病の予防や改善を目指すときの食事をする際は、カロリーのコントロールが必要です。いくら食材に注意していても、油を多く使って調理を行っていては意味がありません。揚げ物は控える、油は必要以上に使用しないことを心がけましょう。

おすすめの調理法は、油控えめでヘルシーな蒸し料理、焼き料理です。

また、血糖値の急上昇を予防する食材として有名なのが、きのこ類や野菜類です。食物繊維が豊富で、腸内での糖質の吸収を遅らせてくれます。なかでも加熱調理に適しているきのこはマイタケです。マイタケの食物繊維はほかのきのこと比較して熱に強く、加熱しても食物繊維含有量が多い点が特徴です。

野菜のなかで血糖値上昇を抑える効果が高いと有名なのは、玉ねぎです。玉ねぎに含まれる成分には、血糖値を下げるホルモンの働きを助ける働きがあります。

メイン料理として使用するのに適している食材は青魚です。青魚は糖尿病予防に有効であり、摂取量が多い人ほど糖尿病のリスクが低いということが研究で明らかになっています。

さらに、青魚に含まれる脂肪は中性脂肪を下げ、動脈硬化を予防すると共に、血糖値を下げるホルモンの分泌を改善する作用があることもわかっています。糖尿病を意識した食事を取りたい男性は、積極的に食事に取り入れていきましょう。

男性の糖尿病予防・改善は食生活の見直しが大切

糖尿病の予防・改善をするためには、血糖値をコントロールする必要があります。血糖値は食事の内容で上下するため、普段の食事に気をつけることで予防・改善が見込めます。

「取引先との会食が多く不摂生な食事が多い」「白米やパンが大好き」という男性は、ぜひ今回紹介した食事法を取り入れ、糖尿病対策をしてみてください。

ダイエットの経過

糖尿病を防ぐためには、食べ過ぎに注意してバランスの良い食事をすることが大切です。ただし、食べてはいけない食材は基本的にはありません。無理のない糖質制限で、ストレスのない予防および改善を目指すことをおすすめします。

「忙しくて食事に気を配るのが難しい」というビジネスマンは、ぜひ男性専用サロンのトランザットが提案するオンライン食事指導サービスをご利用ください。自宅に届く遺伝子検査・腸内フローラ検査キットの検査結果をもとに、アドバイザーがお客様一人ひとりに合った食事指導を行います。

疑問や質問はいつでもアドバイザーにご相談ください。仕事と健康維持を両立したいビジネスマンの食生活改善を、全力でサポートいたします。

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